クールな御曹司の甘すぎる独占愛

奈々が手を合わせて頼み込むと、ようやく折れた晶はいくつかあるうちのひとつを手に取り開封した。

お湯を注ぐと、皮が破れて中身が溶け出してくる。あんこに混じって出てきたゼリーは……。


「ハートだ」
「それは恋愛運に恵まれるという結果です」
「恋愛運? それならとっくに恵まれているぞ? こうして奈々を手に入れられているんだから」


そう言いながも、晶は妙にうれしそうだ。鼻にシワを寄せてニコニコしている。


「でも、こういうのもなかなかいものだね。ワクワクする。人気商品なのもうなずけるよ」


今まで絶対にやらないと言っていたのがうそのよう。やはりハートが出てきたのも大きいのかもしれない。実はこっそりハートばかりを集めて晶に選んでもらったのは内緒だ。


「奈々」


名前を呼ばれてその目を見てみれば、思いがけず甘い眼差しが待っていた。


「一生離さないよ。奈々を生涯愛し抜く」

< 305 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop