夜が明けるとき ~続・魔法の鍵と隻眼の姫
薔薇の記憶
今日は特別に両親と共に眠る。
子供の頃のようにワクワクしているミレイアをラミンは国王の寝室まで送り届けた。
「まあ、ラミン。ミレイアを送ってくれてありがとう」
ドアを開けたサリア王妃に一礼してラミンは帰って行く。
その後ろ姿を見届け部屋に入った。
「お父様はもう少ししたら戻ってらっしゃるわ。それまでお母様と女子トークしましょう」
茶目っ気たっぷりにウィンクした王妃にミレイアも嬉しくなって喜んで大きなベッドに潜り込んだ。
「ドリスター家に伝わる指輪。ラミンに貰ったのね?」
「お母様この指輪知ってるの?」
ミレイアのはめてる指輪にいち早く気付いたサリア王妃は懐かしそうにその指輪を眺めた。
「知っていますとも。ハインツ・ドリスター公爵の奥様、アリナは私の親友。そして私と同じアルトバルのお妃候補でもあったのよ」
「えっそうなの?」
目をキラキラさせて母の顔を覗き込むミレイアは話を聞きたいとその顔に書いていた。
苦笑いをこぼすサリア王妃はミレイアの肩を抱き綺麗な黒髪を撫でながら話始めた。