三日間の幸福
突然の告白だった。

私は返す言葉が見つからない。

平良は一生、その言葉を言わないと思っていた。

「地震があった時、俺、死ぬのかと思った。沙和に会わないでいたこと、すごく後悔した。でも生きていたから、何がなんでも会いたいと思った。」

避難所に来た時の平良を思い出す。
まっすぐに私に手を差し伸べてくれた。

「俺はずっと沙和のことが好きだったよ。それなのに、一人にしてごめん。」

平良がギュッと腕に力を込める。

「ごめん。」

また言う。
一人を選んだのは、私だ。

「一人にさせたくないって言ったら、沙和は困る?」

平良が私の顔を覗く。

ずっとずっと変わらない平良の目だ。

私は静かに首を横に振った。

平良はまた私を抱き寄せた。

その夜、10年ぶりに身体を重ねた。
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