同期のあいつ
頼れる同期

困った後輩

翌日の午後。
午前中に取引先を周り、午後になって私は会社に戻ってきた。

「一華さん、体調大丈夫ですか?」
デスクに着くなり、可憐ちゃんが寄ってきた。
「体調?」

そりゃあ昨日は2日酔いで死んでたけれど、さすがに一日経てば復活。
すっかり元の私に戻った。

「あの・・・小熊がヤバいんですけれど、今日飲みに行きませんか?」
「え?小熊くんが?」
「はい」
頷く可憐ちゃん。

「どうしたの?」
私は午前中外回りしていたから気づかなかったけれど。

「部長が・・・」
「何があったの?」

「今朝、一華さんがいないときに部長がキレたんです」
「何で?」

「遅刻ギリギリに駆け込んできた小熊に部長が注意したんですよ。『何で遅れたんだ』って.。そうしたらあいつ、『事故渋滞だからしょうが無いじゃないですか』って言い返して」

はぁー、めまいがする。

「部長怒ったよね」

「そりゃあもう。怒鳴り散らす部長、言い返す小熊。『もういい、お前なんかいらない』って叫んで、それ以降は小熊の事を完全無視です」

どうやら相当な修羅場だったみたいね。

「高田課長は?」
彼がいれば納めてくれたはずだけれど。
「いなかったんです」
「そう」

「でも、帰ってきてから事情を聞いて部長と話していました」

「小熊くんは?」
「小熊は部長に無視られて、外回りに行くって飛び出して行きましたから」
もう、本当に困った子ね。

「とにかく、今夜飲みましょう。小熊呼びますから」
「はいはい」

ちょうどその時、
「鈴木、ちょっといい?」
私は高田に呼ばれた。
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