好きなんだから仕方ない。

我が儘だって分かってる

パルドメールの言いたい事は分かる。魔界なんて悪魔の、残酷な人々が集まる事だって言う事も分かってる。でも、でも私は。
魔界の使いになってしまったクロエラたちと戦う事なんて出来ない。それに、あの塔へ行っても神の住み処に行けるとは限らない。神の住み処に行こうとしていても、無意識の内に私が避けていたら魔界の入り口に変わってしまうんだよ。

「自分が何を言っているのかなんて言ってる自分がよく分かってる。少し、落ち着いて話を聞いてやったらどうだ」

「パルドメール。私ね、神の住み処に行くべきだって思ってる。ただ、魔界の使いとなってしまった皆と戦いたくないとも思ってるの。このままの気持ちであの塔へ行っても、魔界に行ってしまう事が目に見えてる。だから出来るだけ時間をかけて向かいたいの。待っててくれている皆のために何とかしたいの」

ヅヌダクに口と体を押さえられ、パルドメールはやっと話を聞いてくれた。でも、納得してくれてはいない。恨みのこもった目でクロエラを睨んでいた。
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