――あなたにはもう、期待しない。
天津翠(あまつみどり)は三年前、
夫となるはずだった
神立涼(かんだちいすず)に捨てられた。
それも、結婚式当日に。
そのとき身ごもっていた子供、
鳴(なる)はもう三歳になる。
いつかは父親のことを伝えなければ
と思っていたある日のこと、
なんの因果か再び涼と出会ってしまう。
そこで彼が翠に告げたのは……。
「今夜は俺と過ごせ」
――私を嫌いになったから捨てたんじゃないの?
――私も、彼を憎んでいるんじゃなかったの?
(もう一度キスされたいなんて
思ってなかったはずなのに……)
「嫌いだとはひと言も言っていない。
俺は今もお前を愛している」
すれ違い続けたふたりは、
息子のために『やり直し婚』をすることになるが……。
***
6/29 完結
マカロン文庫10月刊行決定しました。
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- あらすじ
三年前、翠は結婚式当日に捨てられた。
結婚するはずだった涼の裏切りを許せないまま、身ごもっていた彼の子供を産み、過去に囚われながら今を過ごしている。
息子の存在を知った涼は翠に結婚を申し込み、翠もまた複雑な思いを抱きながら受け入れるけれど……。
「俺を愛していなくてもいいと思えるぐらい好きなんだ」
繰り返される甘い言葉。かつて自分を捨てた彼に未来を期待してもいいの……?