腹黒幼馴染、天使を捕獲する。
初恋
あれは小学校に入ってすぐの聖母祭ミサだった。
初めて出る小学校のミサに私は興味津々だった。
信者なので、クリスマスミサや、日曜日のミサには出たことがあったんだけど。




ミサが始まった。
神父様の入場にあわせて、後ろから2名の生徒が入って来た。
どちらも白い祭服、アルバを身に纏っている。それだけで大人っぽく、神聖な感じがした。

私は、飛び抜けて背が高い方の男子に一瞬で目を奪われた。

髪がさらさらで、王子様みたい。
こんなにカッコいい人いるんだ!

そう思った。
今思えば、私ってませてたんだと思う。

すぐにその王子様は、クリスマスミサで会ったことのある岩橋理人(いわはしりひと)くんだったと判明する。

ミサの度に、理人くんのアルバ姿を見ることができた小学校1年生は、なんの憂いもなく幸せな時間だった。

でも、理人くんは、たったの1年で中学部へ。
同じ敷地内にあるとは言え、小学校と中学高校の校舎の間には講堂がある。
そのため、完全に分けられていて、その後は家族で行くクリスマスミサ以外に接点は全くなかった。
< 23 / 215 >

この作品をシェア

pagetop