ライオン少女は宇宙系男子を落としたい
「冬川くん、北松さんも反省してるみたいだし、それぐらいにしてあげて?」



俯いていると、青石先輩が「大丈夫?」と声をかけてくれた。

先輩はこんなに優しいのに、詩恩ときたら……。



「先輩、騙されないでください! 本当はこんなに冷たい腹黒野郎なんです!」

「あれ? この前腹黒王子って言ってなかった?」

「どっちでもいいでしょ! 同じ腹黒なんだから!」



再び口論していると、青石先輩が突然クスクスと笑い出した。



「腹黒……それ多分、北松さんにだけだと思うよ」

「え……?」



私にだけ?

それって、詩恩は私にだけ冷たくて意地悪ってこと?

なんで? この2人と私の何が違うの?
付き合いの長さ? 親密度?
まさか、年齢とか性別じゃないよね?



「冬川くんは不器用なんだね」

「ですね。素直になれないだけだと思います」

「っぽいね。でもわかるなぁ。可愛いとついちょっかいかけたくなるの」

「なっ、何言ってるんですかっ」

「……全部聞こえてるんだけど」



疑問に思っていると、先輩と小動物くんがコソコソ話し出した。

そんな2人を、詩恩はなぜか不機嫌そうな顔で見ていたのだった。
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