いつか再会する時まで

隠し事




中間テストが終わって結果も張り出された次の土曜日のこと。
私は服などを買うためショッピングモールに行こうとしていた。
信号待ちをしていると、男の子が飼い犬のリードを離してしまったようで、犬が走り出す。それを追いかけて男の子は車道に飛び出す。




「っ、危ない!」





私はトラックが来ていることに気が付き、躊躇なく車道に飛び込む。そしてトラックにぶつかる直前で転がり、ギリギリ避けた。男の子を庇っていたため、思うように動けず、頭を打ってしまった。






「お姉ちゃん大丈夫……?ねぇ!」

「……け…………が……ない?」





泣きそうな顔をしながらこくりと頷いた男の子に、私は安心して意識を手放した。






玲音side end

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