小さなころから一緒だったエバンスとカエラは国の端にある村で仲良く育った幼馴染。
国が定めた、魔力検定の歳。
エバンスは大きな魔力を持っていたことが判明。
八歳まで一緒に過ごした二人は、この結果からエバンスが王都の魔術院へ行くことになり離れ離れになる。
その時、エバンスは言った。
「僕、きっとりっぱな魔術師になるから。そうなったらカエラを迎えに来るね」
そんな言葉から十五年の月日が経って、カエラは待っていたわけでもなく、その言葉はただの幼いころの寂しさゆえだと思っていた。
だから、行き遅れていたのは単に出会いがなかっただけの話。
しかし、未だに両親と村で営むパン屋でくるくると働いていたカエラの元に、大人に成長してなんと宮廷魔術師長という肩書を引っ提げてエバンスが帰ってきた。
ずっと三つ下の幼馴染に一途だった魔術師と、現実的なパン屋の娘ははたして上手く恋愛できるのか?
再会した一途な魔術師の好き好きアピールは、十五年で大人の色気を存分に発揮する。
ドキドキするのは、顔のせい?
現実主義な村娘は、立派な肩書付きの幼馴染のアピールをのらりくらりと流していくが。
ヒーローはどこまでも一途で諦めない。
最後は、結局ヒーローの腕の中に落ちるしかなくなっていて。
外堀埋めるなんて卑怯だ!と叫ばされるも、愛されまくりで幸せなことは間違いがなく、諦めて幼馴染で国で一番の魔術師の嫁になるのだった。
幼馴染の再会、身分差ヒストリカルラブ。