7歳の侯爵夫人
「あら?昨日と同じお花なのね」
コンスタンスは窓辺の一輪挿しに目を留めた。
彼女が覚えている限り、そこにある花が翌日も同じだったことはない。
だが今そこに挿してあるのは、昨日と同じ赤いバラだった。

「今日は、昨日と同じお花を贈ってくださったのかしら」
そう言うと、コンスタンスはそっとその花びらに触れた。
でも、すぐに気がついた。
この花は、昨日贈られた花だと。

「その…、今日はいらっしゃらなかったようです」
気まずそうにリアに告げられ、コンスタンスは「そうなの」と一言呟いた。
< 226 / 342 >

この作品をシェア

pagetop