7歳の侯爵夫人

4

義両親と義兄になる3人に挨拶した後、俺はコンスタンスに公爵家自慢の庭園を案内されることになった。
後は若い2人で…、というお決まりのパターンだろう。

並んで歩き、ポツリ、ポツリとお互いの趣味などの話をする。
俺は騎士なので趣味と言えるかどうかわからないが、剣術や柔術、馬術など、やはり荒事を好む。
一方のコンスタンスは貴族の令嬢らしく、空いた時間は読書や刺繍などして過ごしていると言う。
当然話は合わないし、広がらない。

彼女は隣に立つと今までの印象よりずっと小柄で華奢だったが、やはり背筋をピンと伸ばし歩く姿は優雅な貴婦人そのものだ。
口元に笑みは浮かべているが、それはまるで貼り付けたような笑顔。
その美しいエメラルドのような瞳は真っ直ぐに俺を見ていても、俺に興味なんてこれっぽっちも無いのはすぐにわかる。
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