彼の溺愛 致死レベル ゾルック 四人目



怒りが噴火したような
氷牙さんの怒鳴り声が、

私の心だけじゃなく
涙腺にまで突き刺さる。




子猫ちゃんに軽蔑された時は、
涙さえ出てきてくれなかったのに



今は、泣きたくない!って
必死に堪えても

出ないで!って懇願しても

涙が止まらない。




「私っ……
 総長のっ…こ…と…なんてっ……」



好きじゃないです!!


私が好きなのは
氷牙さんなんです!!




そう伝えたいのに


嗚咽が波のように込み上げてきて、
思いが紡げない。





「俺さ、みくるのこと勘違いしてたわ」


勘違い?


「オマエの人情味。
 全然、良いもんじゃねぇな」



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