婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で!?溺愛はすぐ側に〜
卒業パーティーまで五日
次の日、ウォルリナ公爵邸に向かう為にドウェインと共に馬車に乗っていた。
本当は同じ馬車になど乗りたくなかった。
けれど、ドウェインを毛嫌いすると父と母は露骨に嫌な顔をする。
仕方なく一緒に行くこととなった。
こうして二人きりになり、顔を合わせるのは数年ぶりだった。
ドウェインはよく街に降りたり、研究所にも顔を出したりと忙しくしているようだ。
真っ黒な髪と紫色の瞳は相変わらず不気味だが、憂いを帯びた表情は以前よりずっと大人びたように見えた。
毒魔法を使う反動で年中、手袋を嵌めているドウェインは何故か花を持っていた。
(……ローズマリーが咲かせる花の方がずっと綺麗だ)
そんなことを考えながら無意識にニヤリと唇を歪めた。
それにあのマデリーンが花を欲しがるとは思えなかった。
「はっ、そんな花を渡すつもりか……?マデリーンが喜ぶとでも?」
「えぇ……マデリーン様の好きな花ですから。いつも綺麗だと言って下さいます」
「好きな花、だと?マデリーンが……?」
「兄上は……マデリーン様の好きな花も知らないのですか?」
「あぁ……あの女の好きな花など別に興味はない」
「…………。そうですか」
本当は同じ馬車になど乗りたくなかった。
けれど、ドウェインを毛嫌いすると父と母は露骨に嫌な顔をする。
仕方なく一緒に行くこととなった。
こうして二人きりになり、顔を合わせるのは数年ぶりだった。
ドウェインはよく街に降りたり、研究所にも顔を出したりと忙しくしているようだ。
真っ黒な髪と紫色の瞳は相変わらず不気味だが、憂いを帯びた表情は以前よりずっと大人びたように見えた。
毒魔法を使う反動で年中、手袋を嵌めているドウェインは何故か花を持っていた。
(……ローズマリーが咲かせる花の方がずっと綺麗だ)
そんなことを考えながら無意識にニヤリと唇を歪めた。
それにあのマデリーンが花を欲しがるとは思えなかった。
「はっ、そんな花を渡すつもりか……?マデリーンが喜ぶとでも?」
「えぇ……マデリーン様の好きな花ですから。いつも綺麗だと言って下さいます」
「好きな花、だと?マデリーンが……?」
「兄上は……マデリーン様の好きな花も知らないのですか?」
「あぁ……あの女の好きな花など別に興味はない」
「…………。そうですか」