キミと、世界の果てまで。
寛司の部屋の前に到着する。辺りは静かで、音ひとつ聞こえない。
此処で寛司はずっと苦しんでいるのか…と考えると、どうしようもなく居た堪れない気持ちになる。
あたしのせいで、寛司は謹慎処分になったんだよね。
あたしを思ってくれていたから、寛司は、寛司は…!
今すぐにでも泣きたい気持ちを抑えて、あたしはゆっくりとドアをノックする。
「寛司?あたし、未来だけど…」
出来るだけ声を張るけど、反応はまったく無い。どれだけ待ってみても、物音ひとつすら起きない。
やっぱりあたしには会いたくないのか、寛司は。
ずっと昔から一緒に居た存在に拒絶されるという事は、想像していたモノより、ずっと遥かに辛くて、悲しかった。
「やっぱり、ダメかぁ…」
そう呟きながら、身体を回転させた所で。
ガチャッという音と共に、あたしの身体は誰かの温かい体温で包まれた。
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