CHANCE 1 (前編)  =YOUTH=

1. At last start

 


朝、目を覚ますと、俺は佐々木に電話した。

「オハヨ。薫、久しぶり。」

『おはよー。久しぶりネ!こんな朝早くからどうしたの?』

「薫の叔父さんって●丸の人事部長だったっけ?」

『そうだよ。』

「実は、お願いが有るんだけど聞いてくれる!?」

『誰か●丸で働きたいの?』

「と言う訳じゃあ無いんだけどさぁ、あのデパートの1階ホールって夕方凄い人だよな。

あそこでアカペラで歌っても良いか?」

『突然どうしたの?』

「実は、うちの親父の抱えているアーティストの一人が、かなり本番に弱いし、人が多いと、なかなか実力が発揮出来ないんだよ。

それでさ、度胸付けさせる為に、人が多いところで一人でも歌える様に練習させたいんだよ。」

『そうなんだ。

わかった。叔父に聞いてみて、後でメールするね!』

「オゥ!よろしく頼むな!

ところで、ヒロとはまだ続いてるの?」

『そりゃもうLOVE LOVEよ!』

「そっかぁ。良かったな。じゃあ、悪いんだけど、昼前までに連絡してくれるか。」

『わかった。任せといて。』

「サンキュー!じゃあな。」

『バイバイ。』

電話を切ってから、大学に行く用意をした。

今日は、2コマまでなので、お昼には講義が終わるので、一旦マンションに戻ってから車に乗って実家へ戻った。

「ただいま!」

『ヒョン(アニキ)もう大学終わったのですか!?』

「あぁ。今日からユー君の特訓だぞ。頑張れよ。」

『ハイ。』

「飯食ったか!?」

『まだです。一緒に食べましょう。』

「そだね。
何か有るかなぁ!?」

と言いながら、冷蔵庫の中をあさっていたら、水キムチと蒸し豚、アサツキもリンゴもキュウリも合った。

と言う訳で、ムルネンミョン(スープ冷麺)を作ることにした。

買い置きの生冷麺の麺を湯がいて、冷水で良く揉みながら洗い、水を切ってから良く冷えた水キムチの中に入れた。

刻んだキュウリやらスライスした蒸し豚などを入れて盛り付け完了。

それを二人で食べてたら、佐々木からメールが入ってきた。

《叔父さんがね、使って良いからだって。警備員にも言っておくから、掴まえて放り出される事は無いから安心して歌ってだって。頑張ってネェ!》

俺は、

《有り難う。助かった。また今度、ヒロと一緒に飯食べに行こうぜ!俺の彼女も連れて行くから。》
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