使者の黙示録
(な、なんだ、あれは!?)


団司が見あげる上空には、赤黒い闇が広がり

紫色の雲が、まるで衛星写真で解説される台風のように、ゆっくりと渦を巻いている。


1週間前に奇妙な現象を見て以来、なにかヤバいことが起こっていると思ったが

その危機は次の段階に移行し、予断を許さない状態に変わっていることを

団司は思い知らされるほどに、肌で感じる。


即座にルゼを想う。


(彼女なら、何か詳しいことを知っているかもしれない)


そのルゼは

息を切らしながら、ベンチに座っている団司の方へ近づいて来るのだった。

< 259 / 357 >

この作品をシェア

pagetop