家政婦のメイド派遣します!
佐藤の罠
桃子が朝出勤すると机の上に、祐樹と直樹からの伝言が書かれたメモが置いてあった。
今日は朝から出張が入っているが夕方には戻るので会って話がしたいらしい。

いまどき電話ではなく直筆で書かれたメモ。

彼女はその紙を丁寧に折りたたんでポケットにしまった。

「今日は残業確定だな。」

少し嬉しそうに呟いて手元に置かれている昨夜のコールセンターの報告書に目を通し始めると、デスクの電話が鳴り始めた。

「はい、篠崎です。」

「コールセンターの上杉です。」

昼間の責任者の上杉だった。

「先程ご注文があったお客様なのですが、桃子さんを指名されていまして…。」

どうやら、先日桃子が担当した客がもう一度部屋の掃除を頼みたいらしい。

今回は自分が留守にするので、以前やってくれた桃子に頼みたいと言う事だった。

「お客様には、臨時で伺った担当なので今回は別の人間が行くと言ったのですが聞いてもらえませんでした。お返事をこちらから再度すると言う事で電話を切ったのですが、どうしましょう?」
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