神様なんて信じないっ!~イケメンと妖怪、召喚しちゃいました~

・混乱



スサノオ兄弟に見つからないように、ちょこちょこ移動しつづけていたあたしたちは、やっと屋台の列から少し離れたところにあった、石を置いただけのような椅子に座ることができた。


ちょっと暗いけれど、四郎くんがいれば怖いものなんてない気がする。


目の前は何もない雑木林で、お祭りのにぎやかさから一転、すごく静かで寂しい感じさえした。


四郎くんは戦利品のお好み焼きだとかから揚げだとかを、幸せそうに食べている。


あたしはリンゴ飴を少しずつ食べながら、下駄をぬいでぼんやりしていた。


ちらりと横を見ると、四郎くんと目があう。


「食うか?」


とたこ焼きをすすめられたけど、辞退しておいた。


もしかして、あたしが歩き疲れたと思って、休憩してくれてるのかな?


そんなことを一瞬でも思ったのはきっと間違いだ。


単にお腹が減っていたに違いない。


地面に視線をうつすと、ちょうどそこに小さいおっさんが通りかかった。


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