綺麗なこころ、愛する気持ち。想い。
じんわりと胸に響きました。
作品を読んで感動することってあまりないのですが、うるっときました。

久々に絵本に足を運んで、この作品に出会うことができてよかったです(^^)
素敵なお話でした。

私の美貌に騙されなかった男は居なかった。


だから、きっとこうして優しく微笑みかけてくれる彼も“そう”なのだ。今更幻滅や憎悪なんてしない。ただ、彼らは愚かなだけ。



しかし、彼は私がどんなに醜くなっても態度は変わらなかった。

彼との月日が穏やかに流れる度、
共に日々をゆっくりと過ごす度、


私の心は酷く満たされてしまう。

一体、この感情はなんと呼ぶのだろう――？


彼が微笑みながら絵を描き、
私がじっとその姿を眺める。


たったそれだけなのに、私の心はおかしくなる。
けれど、悪魔の彼女には分からない。知る機会もない。理解してはいけないもの。



悪魔と人間。

種別も、風貌も関係ない。


想い合う絆の深さの大切さに心撃たれて浸って下さい。


素敵なお話をありがとうございます!

涙も笑もない

感情など必要のない悪魔

そんな彼女が最後に出会ったのは

貧しいけれど心が豊かな画家だった

彼を殺さなければ

私は悪魔なのだから

けれど

この胸をつく思いは？

切なさ溢れる

真実の童話です

ギリシャ神話のようだ、と思った。
ギリシャ神話はたまらなく美しいが、大抵の話は目を覆いたくなるような不運のうちに幕を閉じてしまう。
このお話も、冒頭から胸つぶれる結末が予想できる。

人生や現実は辛い、それでも美しくこんなにも清らかだ。

挿し絵も素敵だった。

悪魔になるためには５人の男を殺さなければならない――

惑わし弑す目的で青年に近づいたリリスは、その青年に逆に愛を教えられてしまう。

自らの野望と恋した青年の間で揺れるリリスが最後に選んだ道は――


とにかく情景が美しく、引き込まれました。

美しく切ない大人の童話です。
ぜひご一読下さい！