こちらの作品を初めて読んだときから完結するまでずっと感じていたことは、もののたとえがとても多岐にわたり豊かであること。
たくさんのたとえが出てくるのに一度としてそのたとえがかぶることなく、由糸子さんにはほかにはいくつの引き出しがあるのだろう? と思いました。
由糸子さんのそんな文章に惹かれ、この作品を追ってきました。
雛子ちゃんの果敢な恋に、志帆さんの悲しい恋。恭平のやるせない想いに敦の強引な想い、星野さんの穏やかな想い。
すべての想いがどう決着をつけるのだろう、と思いながら読み進めると、最後のほうでトントン拍子に話が進みだし、志帆さんの気持ちが昇華したのが一番嬉しかったです。
それから、最後の恭平の変わり身。
格好良かったなぁ……。
途中ハラハラしてばかりでしたが、最後には笑顔になれる、そんな作品でした。
完結おめでとうございます!