和宮 樹さんのレビュー一覧

★★★★★
2009/10/23 03:16
駆け抜けよう、この素晴らしき空の下を

かけがえのないものはいつだって手を伸ばせば届く所にある。 けれど、手を伸ばさなければ決して届くことはない。 そんな当たり前のことを私達はついつい忘れてしまいがち。 主人公のふたりが織り成す爽快な友情物語は、その奥にそんな大切なメッセージを痛快なテンポと愉快なリズムの裏に隠し持っています。 カッコ悪くてもいい。 スマートな生き方じゃなくてもいい。 でも風は2度同じものは吹かないのです。 だからその瞬間の風に乗り遅れないよう、不器用でも飛び込んでみましょう。 この作品を読めばきっと、その1歩を踏み出す勇気をもらえるはず。 さぁ、あなたも──フリーダムライドを!

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★★★★
2009/07/08 11:49
ネタバレ
カチリ、と音がする

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★★★★★
2008/12/13 11:51
冷めゆく程に熱く

『結婚』とは、夫婦になったときが頂で、後は下っていくだけなのだろうか? カフェオレは淹れたてが最も美味しく、後は不味くなっていくだけなのだろうか? きっと多くの人が一度は抱えてしまう悩み。 本作はその答えを導き出す“きっかけ”を与えてくれます。 けっして明確な答えではなく、足を踏み出してみようというきっかけ。 愛に悩んだとき、読んでみられることをオススメ致します。

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★★★★★
2008/11/13 13:59
ありがとう

読み終わって、気付けば静かに頬を濡らし ぽつり と、この言葉が口をつきます。 一見淡々としているようでいて、その実とても良く言葉が選ばれた本作。 人の幸せの原点とは……。 それを教えてくれる大変貴重な、そしてとても愛おしい作品でした。 こころから作者に『ありがとう』の言葉を贈らせていただきます。

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★★★★
2008/10/14 10:51
静と動

静かに流れる場面とは裏腹に、その奥にある感情はときに荒れ狂い、ときにゆっくりと腐蝕し、またやさしくあたたかみを帯びていく。 なんとも不思議な感覚に支配されていきつつも確かな余韻を読者にもたらしてくれる作品でした。 後半の姉との下りをもう少し膨らませてもいいかな、とも思いましたが、それを差し引いても大変個性的で雰囲気のある素敵な作品でした。 この作品にはどんな曲も当てはまらず、ただしとりと降る雨音こそが相応しい……。

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★★★★★
2008/07/11 02:25
まあるい気持ち

ライオンが人を好きになる。 あまりにも突飛な物語。 なのに驚くほどやさしい気持ちにさせてくれる本作品。 きっと手にとったあなたはいろんなことをこの物語に重ね合わせることでしょう。 とても象徴的な内容で、だからこそこのお話は人のこころに素直に溶け込んで、あなたのこころをまあるくまあるくしてくれるはずです。 ぜひ、ページをめくってみて下さい。

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★★★★
2008/05/27 11:45
背中にあるもの

終始自らに、そして誰かに問いかけるようにして綴られる本作。 あたかも一冊のクロッキーに色もなく、ただありのまま、思うがままに描かれていくかのよう。 そしてこれはきっと誰しもが我知らず背中に負っている想い。 言葉そのもので何かしら自分に変化を与えてくれる作品ではないけれど、作者のこころと共鳴することで、どこか「自分だけではない」という“安堵感”を与えてくれる作品になっているように感じました。

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★★★★★
2008/04/20 19:40
愛の詰まったエッセイ

極彩色の喜怒哀楽で綴られた本作。 正直この母親は話を読んでいる限り憎たらしい以外の何者でもないのだけれど、どこか筆者とのやりとりに微笑ましいものを感じてしまう。 それはきっと“愛”の一言。 怒りに満ちた文章の中にも愛情をしっかりと感じられるからこそ、この破天荒な話にお腹を抱えて笑えるのではないでしょうか。 あったかい笑いと、ときには涙を誘うこのエッセイ。 自信を持っていいましょう。 読んで損なし!!

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★★★★
2008/03/13 10:37
繰り返し読むと

まず、緻密に構成された人間関係に舌を巻く本作品は、繰り返し読む度に色合いを変え新たな感慨を読者に与えてくれる。 美しい言葉たちの奥にあるそれぞれの想いはまるで水面を揺らす波紋のようで、重なりあい、離れ、また新たな波を生み複雑な模様を描く。 処女作とあって若干の粗さは見受けられるもののそれを補って余りある力が終盤に向かってページをめくる勢いを止めさせない。 あえて星を4つにしますが、いやはや、なんだか同じ作家として悔しくなってしまう作品です(苦笑)

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