極上ショコラ【短】
「……わかったよ」


ため息混じりに吐き出された言葉に胸を撫で下ろした反面、申し訳なく思ってしまう。


それは担当者としてなのか、ファンとしてなのか、はたまた私情なのか…。


恐らく最後の答えがもっとも近いのだろうけど、仕事に私情を挟むのはあたしのポリシーに反する。


「ありがとうございます」


自分自身にそれを言い聞かせるように、あくまで事務的に頭を下げたけど…


「但し、条件がある」


ここぞとばかりに、そんな言葉が付け加えられた。


嫌な予感を抱きながらも篠原の機嫌を損ねる訳にはいかなくて、引き攣りそうな顔で笑みを繕った。


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