極上ショコラ【短】
ヒールを履いたままの足はガクガクと震え、その不安定さに心細くなる。


縋り付くように篠原にしがみつけば、彼がようやく口元に笑みを浮かべた。


その表情が篠原の中の何かが満たされて生まれたものだと理解しながらも、彼から与えられる快感に身を任せる事しか出来なくて…


「……ほら、もっと鳴けよ」


思考が低下した頭の中は、少しずつ靄(モヤ)が掛かったようになっていく。


涙で滲んだ視界の中にいる篠原は、さっきまでと一変してとても楽しげに見える。


反してあたしは、もう僅かな余裕も無くて…


後数秒もすれば、足が崩れ落ちてしまいそうだった。


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