私達は机の落書きから始まった。
 
 
「真っ暗だね」
 
「こんなの怖くねぇよ」
 
「えぇ~、怖いよ」
 
 
後ろの方から声が聞こえて来た。
 
 
多分、恋人同士だろう。
 
 
「やっべ、次の客がきた。
 
ちょっと我慢してて。」
 
 
私を抱き寄せたまま、暗幕の裏にまわった。
 
 
だんだんと近付く声。
 
 
「なんも出ねぇじゃん」
 
「出なくていいよ~」
 
 
ドクンッ ドクンッ ドクンッ
 
 
恋人の会話よりも、遼平の鼓動が聞こえる。
 
 
一定の速度で奏でる鼓動が心地良い。
 
 
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