私達は机の落書きから始まった。
 
 
遼平を待ってる間、いつの間にか寝ていたみたいだ。
 
 
少しの重みで目を覚ました。
 
 
「起こした?
ごめん。だけど、風邪引くかと思って」
 
 
遼平が私の肩に、ジャージを掛けてくれていた。
 
 
ほんの少し、遼平の匂いがした。
 
 
甘い香りが…
 
 
「あ…りがと。」
 
 
ジャージを握り締めた。
 
 
「ね、遼平って、香水付けてるの?
前から思ってたんだけど、甘い香りがするからさ。」
 
 
私の問いかけに、少し遼平の表情が曇ったように見えたのは気のせいだろうか。
 
 
「あぁ…、これな…」
 
 
いつもと違う、歯切れの悪い返事。
 
 
なんとなく聞いてはいけないような気がした。
 
 
< 61 / 400 >

この作品をシェア

pagetop