スイートホーム
『やっほー』「どーも」と軽く挨拶を交わしたあと、麻美はさっそく本題に入った。


『あのさ、彩希って土日どちらかは交替で休みになるんだよね?今週末はどうなってる?久しぶりに会いたいんだけどさ』


「あ、ホント?私も会いたい。ちょっと待ってて」


今週末って事は、カレンダー上来月に突入するから…。


私はベッドサイドの壁に視線を向け、そこに掲示してあるシフト表を確認した。


つい先日配られたばかりで、忘れないうちにさっそく壁に貼り付けておいたのである。


最初はこの紙をどのように保管するべきか迷ったけど、やはり壁に貼ってあった方がパッと見られて便利だし、ベッド近くなら毎晩寝る前に最終確認ができるので、そこが定位置となった。


「えっとね、土曜日に休みが割り振られてる」


『ホント?じゃあその日、いつものあの喫茶店で待ち合わせしない?えっと…午前11時くらいに』


「うん、良いよ」


『で、ちょっと豪華なとこでお昼食べて~、その後買い物に付き合ってくれる?化粧ポーチのファスナーがダメになっちゃったから、新しいの欲しくて』


「了解。私も髪留めとかハンドクリームとか、細々とした物が欲しかったんだ」


あの近辺ならお洒落な洋服屋とか雑貨屋が密集してるし、駅まで戻れば直結のデパートもある。


お互いに目当ての物は難なく手に入れられるだろう。
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