スイートホーム
「おいしそう~」
「さ、食べよ食べよ」
「いただきまーす!」
その賑やかさを持続したまま取り皿に、各々料理を取り分けて行く。
「……ところで」
しばらくは談笑しながら美味しい料理に舌鼓を打っていたけれど、楽しい食事会も中盤に差し掛かった所で、もう尋ねても良い頃合いだろうと、私はその話題を持ち出す事にした。
「加奈が私を呼び出した理由って何なのかな?そろそろ教えてもらっても良い?」
エビのチリソース煮を、至福の表情で口に含んだばかりだった加奈は、その姿勢のまま一瞬動きを止め、しかしすぐさまそれを咀嚼し、飲み下した。
次いで烏龍茶を口にし、『ふー…』と息を吐きつつ湯呑みをテーブル上に戻すと、それを見つめたまま独り言のように呟く。
「…そうだよね。いつまでも、避けてる訳にはいかないよね」
自分で自分の言葉にウンウンと頷きながら、加奈は意を決したように顔を上げて私にしっかり視線を合わせると、若干掠れた声で言葉を発した。
「学生時代のサークルのね、後輩に聞いたんだけど…」
「あ、『児童心理研究会』の?」
「うん、そう。イコール梨華とも知り合いって訳だけど…」
突然彼女の名前が出て来たのでドキリとした。
いや、何となく、心の奥底で予感はあったんだけども。
「さ、食べよ食べよ」
「いただきまーす!」
その賑やかさを持続したまま取り皿に、各々料理を取り分けて行く。
「……ところで」
しばらくは談笑しながら美味しい料理に舌鼓を打っていたけれど、楽しい食事会も中盤に差し掛かった所で、もう尋ねても良い頃合いだろうと、私はその話題を持ち出す事にした。
「加奈が私を呼び出した理由って何なのかな?そろそろ教えてもらっても良い?」
エビのチリソース煮を、至福の表情で口に含んだばかりだった加奈は、その姿勢のまま一瞬動きを止め、しかしすぐさまそれを咀嚼し、飲み下した。
次いで烏龍茶を口にし、『ふー…』と息を吐きつつ湯呑みをテーブル上に戻すと、それを見つめたまま独り言のように呟く。
「…そうだよね。いつまでも、避けてる訳にはいかないよね」
自分で自分の言葉にウンウンと頷きながら、加奈は意を決したように顔を上げて私にしっかり視線を合わせると、若干掠れた声で言葉を発した。
「学生時代のサークルのね、後輩に聞いたんだけど…」
「あ、『児童心理研究会』の?」
「うん、そう。イコール梨華とも知り合いって訳だけど…」
突然彼女の名前が出て来たのでドキリとした。
いや、何となく、心の奥底で予感はあったんだけども。