スイートホーム
自分自身、さぞかし吹っ切れた感のある、爽やかな笑顔を浮かべているんだろうなと自覚しつつ、加奈と麻美に順に視線を向けながら礼を述べた。


「…そう言ってもらえると救われるよ」


「ヨシ。じゃ、この話はもうこれで終わりね!」


加奈がしんみりとした口調で答えたあと、麻美がこの場を仕切り直すべく、テーブルに手をパン!と置きながら陽気に言葉を発した。


「さ、まだまだ料理は残ってるよ。冷めないうちに、早くこれ食べちゃおう」


「うん」


「そうだね。グズグズしてるとデザートも来ちゃうし」


私と加奈もそのムードに乗っかるべく明るく返答した。


「そのデザートの杏仁豆腐がね、これまた美味しいんだよ~」


「えっ。ホント?」


「うん。ひんやり冷えてて、お口直しとして最高」


「超楽しみ!じゃ、やっぱりこの料理は早いとこいただかないと。熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいうちに食べたいからね!」


言いながら、自分のお皿に取り分けておいた春巻にさっそくかぶり付く麻美のその動きが何だか妙におかしくて、私と加奈は声を上げて笑ってしまった。


……かなりヘビーな話であった筈なのに、比較的冷静に受け止め、最終的に明るく流す事ができた。


本当に、友達の存在ってありがたいよね…。


私はしみじみとそう思いながら、麻美に続くべく、ずっと放置したままだったお箸に手を伸ばした。
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