スイートホーム
エレベーターホールの奥に位置する、あまり利用する人のいない階段を、小さい女の子と男性がせかせかと降りてくる姿が見て取れた。
女の子は小学校低学年、男性は20代半ばくらいの年の頃。
お父さんにしては若いし、かといってお兄さんにしては年が離れているし、休日にデパートを訪れるにしてはちょっと珍しい組み合わせだった。
そしてそれよりも何よりも、女の子は泣きべそをかいていて、その子を労るでもなく、掴んだ手をグイグイと強引に引っぱりながら先を急がせている男性の姿が、何だかとても異様で不穏な空気を感じる。
いや、人それぞれ事情があるんだし、そこまでのいきさつも知らずにほんの一場面を見ただけで色々と考えを巡らせるのは失礼だしいけない事なんだけども。
そう自分自身に言い聞かせてみても、胸の奥に響き渡る警告音が鳴り止む事はなかった。
すると小太刀さんは素早く踵を返し、再びカウンターに近付くと、お姉さんに向けて言葉を発する。
「対象者見つけました」
「えっ。ホントですか?」
小太刀さんが無言で頷きながら視線だけで階段付近を示すと、お姉さんもさりげなくそちらを伺った。
「…そうですね。特徴が一致しているので、あのお子様で間違いないと思います」
「私がまずお話をお聞きしているので、その間に応援を呼んでおいて下さい」
「了解しました」
女の子は小学校低学年、男性は20代半ばくらいの年の頃。
お父さんにしては若いし、かといってお兄さんにしては年が離れているし、休日にデパートを訪れるにしてはちょっと珍しい組み合わせだった。
そしてそれよりも何よりも、女の子は泣きべそをかいていて、その子を労るでもなく、掴んだ手をグイグイと強引に引っぱりながら先を急がせている男性の姿が、何だかとても異様で不穏な空気を感じる。
いや、人それぞれ事情があるんだし、そこまでのいきさつも知らずにほんの一場面を見ただけで色々と考えを巡らせるのは失礼だしいけない事なんだけども。
そう自分自身に言い聞かせてみても、胸の奥に響き渡る警告音が鳴り止む事はなかった。
すると小太刀さんは素早く踵を返し、再びカウンターに近付くと、お姉さんに向けて言葉を発する。
「対象者見つけました」
「えっ。ホントですか?」
小太刀さんが無言で頷きながら視線だけで階段付近を示すと、お姉さんもさりげなくそちらを伺った。
「…そうですね。特徴が一致しているので、あのお子様で間違いないと思います」
「私がまずお話をお聞きしているので、その間に応援を呼んでおいて下さい」
「了解しました」