スイートホーム
二人は顔を見合せ、ニヤニヤしながら話を進める。


「それなら、いつまでも最低最悪浮気野郎の元カレなんかにこだわってる必要はないよね~」


「そんな奴とは比べ物にならないくらい上等の、ほんまもんの良い男と、毎日密に接しているんだもんねー」


「え?え?」


「いやー、何か私、すっごく安心したわ」


「ホントホント。これで心おきなく日常生活に戻れるよ」


そこで麻美と加奈は改めて私に向き直り、満面の笑みを浮かべつつ言葉を発した。


「おめでとう、さき!」


「頑張ってね。私達、応援してるから!」


「……へ?」


二人共、一体どうしちゃったの??


何だかいきなりハイテンションになって、訳の分からない事を言い出したりして…。


「んじゃ、話がまとまった所で、そろそろ行きましょうか」


私の混乱をよそに、麻美はそう言いながら勢い良く立ち上がった。


「加奈、旦那さんに夕飯出さなくちゃいけないんだもんね。そんなにゆっくりしてられないでしょ?」


ゴミ箱に近付き、アイスの棒を放り込みながら言葉を繋ぐ。


「うーん。でも、別に7時くらいまでに帰れれば大丈夫だよ?」


「いやいや、女同士の買い物って意外と時間かかるからさ。ふと気付いたらいつの間にやら2、3時間経ってた、なんてザラにある事だし。だからそろそろ動き始めた方が良いよ」
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