スイートホーム

約2時間後、目的を達成した私達は、最初に立ち寄ったエスカレーター下の休憩コーナーに戻って来た。


「今日は楽しかったわ~」


地下でゲットした、お惣菜入りの袋の口をしっかりと結び直しながら、加奈は心底幸せそうに感想を述べる。


「こんなにゆっくりじっくり、色んなお店を見て回ったのなんか久しぶりだもん」


「え?旦那さんと一緒に出かけてるでしょ?」


麻美が不思議そうに問い掛けた。


「いくらお互いに仕事してても休みの日は被るんだからさ。さっきのあの中華屋さんも、『旦那と来た』って言ってたじゃん」


「いやいや、そりゃ外食とか旅行とかは定期的に行ってるし、お互いに充実した時を過ごしてるよ。でも、『ショッピング』となると、旦那はたちまちトーンダウンするんだよね」


加奈はそこで苦笑いを浮かべた。


「こっちは一緒にあちこち見て回りたいと思ってるのに『疲れた~』『休んでるから勝手に行って来い』とか言われちゃって、結局別行動になったりするし」


「ああ、なるほど。そういう事ね」


麻美は合点がいったようにウンウンと頷いた。


「彼氏や夫のお約束行動パターンだよね。他の時は精力的に動き回ってるのに、何故かショッピングの時だけすぐに『疲れた』ってなるんだから」


「そうそう!って事は、やっぱ麻美の彼もそのタイプなんだ?」


「まぁね」
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