スイートホーム
「相変わらず一部の女性社員には女の敵のように思われてて、部署内ではすっかり仕事のできない、ダメ社員の烙印を押されて。要するに、俺の人生引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、済ました顔して逃げて行ったんだよ、アイツは」


「そ、そんなの、これから挽回して行けば良いじゃない」


一瞬、ぼんやりと呑気な事を考えてしまっていた私は慌てて言葉を繋いだ。


「社食の人達の対応は私にはちょっと信じがたいけど…。でも、それがもし事実だとして」


そう前置きしてから続ける。


「他人の恋愛事情に勝手に首を突っ込んで、しかもそれを大義名分にしてここぞとばかりに責め立てて来るようなエレガントじゃない人達の事は放っておけば良いし、仕事のことだって、過去の失敗はきちんと反省して、真面目にコツコツ頑張って行けば、すぐに信用は取り戻せるよ」


というか…。


優さんは、私を捨てた側なんだから。


他人から色々と突っ込まれてしまうような状況を作ったのは、自分自身なんだから。


簡単に逃げるなんて許さない。


何があったとしても、その場に留まって、周りから注がれる好奇の視線をはね除けて、頑張って生きて行かなくちゃいけない立場なんだから、優さんは。


私への裏切りに対して、それくらいのペナルティは背負ってもらわないと納得がいかない。


「…簡単に言ってくれるよな」
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