スイートホーム
「だからやっぱり、こういう場合はきちんと警察を介入させておくべきだと俺は思う」


「そう、ですよね…」


私のグズグズの対応っぷりに、きっと小太刀さんは内心呆れ果てて、さらに怒りも感じている事だろう。


彼にマイナスの感情を抱かれているかと思うと、今にも泣き出してしまいそうだった。


「で、でも、知り合いを警察に引き渡すなんて、かなりの覚悟がいるというか、正直、あまり追い詰めると、後々さらに面倒な事になるんじゃないかっていう気持ちもあって…」


ああ、もう。


こんな言い訳なんかしたりしたら、ますます心証が悪くなるじゃないの。


ホント私ってば…。


「…悪い」


しかし私の予想に反し、小太刀さんは若干気まずそうな口調で謝罪した。


「被害者のあんたを責めるような言い方になっちまったな」


あまりにも私がうちひしがれていたからだろうか?


「終わってしまった事をいつまでもグダグダ言っていても仕方ない。本当、悪かった」


「え?い、いえ。そんな」


「それよりも」


先ほどよりもマイルドになった視線を私に真っ直ぐに向けつつ、小太刀さんは問い掛けた。


「怖かっただろ?」


「……え?」


不意打ちな質問に一瞬ポカンとしてしまったけれど、それがきっかけで優さんと口論になり、首を締められるまでの一連の流れが脳内スクリーンにバババーと再生され、すぐに体に変化が訪れた。
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