スイートホーム
2階だから別にエレベーターは使わなくて良いや。
管理人に準ずる存在として寮の運営に携わっているのだから、当然私も、入居者の部屋割りはきちんと頭に入っている。
「えっと…あ、ここか」
205号室の前で足を止め、念の為「小太刀」という表札が掲げられている事を確認しながら深呼吸をし、呼び鈴を押した。
『はい』
「あ、突然すみません。私、家守なんですが」
小太刀さんの声がインターホン越しに聞こえ、ひとまず在宅だった事に内心安堵の息を漏らしつつ続ける。
「先ほどお借りしたハンカチ、洗濯が終わりましたのでお持ちしました」
『…分かった』
その返事の数秒後、玄関ドアが静かに開かれた。
「早いな」
「あ、はい。帰ってすぐに洗濯しましたから。本当にありがとうございました」
ハンカチと共に、おかきの袋も差し出しながら言葉を繋ぐ。
「それとですね、もし良かったらこちら、お召し上がりになって下さい。中身はおかきです」
「そんなに気を使う必要はない」
「いえ。別の用件でスーパーに買い物に行って、ふと目についたから思わず買ってしまっただけなんです。私ここのお煎餅とおかきが大好きなんですよ。勝手に選んでしまいましたけど、もらっていただけると嬉しいです」
何とか笑顔を浮かべつつ会話を交わしていたけれど、私は内心違う事を考えていた。
管理人に準ずる存在として寮の運営に携わっているのだから、当然私も、入居者の部屋割りはきちんと頭に入っている。
「えっと…あ、ここか」
205号室の前で足を止め、念の為「小太刀」という表札が掲げられている事を確認しながら深呼吸をし、呼び鈴を押した。
『はい』
「あ、突然すみません。私、家守なんですが」
小太刀さんの声がインターホン越しに聞こえ、ひとまず在宅だった事に内心安堵の息を漏らしつつ続ける。
「先ほどお借りしたハンカチ、洗濯が終わりましたのでお持ちしました」
『…分かった』
その返事の数秒後、玄関ドアが静かに開かれた。
「早いな」
「あ、はい。帰ってすぐに洗濯しましたから。本当にありがとうございました」
ハンカチと共に、おかきの袋も差し出しながら言葉を繋ぐ。
「それとですね、もし良かったらこちら、お召し上がりになって下さい。中身はおかきです」
「そんなに気を使う必要はない」
「いえ。別の用件でスーパーに買い物に行って、ふと目についたから思わず買ってしまっただけなんです。私ここのお煎餅とおかきが大好きなんですよ。勝手に選んでしまいましたけど、もらっていただけると嬉しいです」
何とか笑顔を浮かべつつ会話を交わしていたけれど、私は内心違う事を考えていた。