スイートホーム
でも、それが心の奥底から沸き上がって来ている嘘偽りの無い感情であるという事は、見ていて充分に伝わって来る。


こんなに心待ちにしていてくれるなんて、私自身も作るのがとても楽しみになって来た。


「あ、でも、オレが居ない時に出されても意味ないっスからね!」


相川さんは慌てて付け加えた。


「来月のシフトが決まったら速攻で予約表提出するんで、それに合わせて決めて下さい!」


「はいはい」


何だかお母さん気分でクスッとしながら答えてしまった後にふと思う。


……相川さんだけこんなに特別扱いしてしまって良いのだろうか?


私や加賀屋さんがそのメニューを出すに至った経緯を黙っていたとしても、彼が無邪気にあっさりと、むしろ得意気に周りにバラしそうな気がする。


「でも」


すると、何故か相川さんは突然ププっと噴き出し、私の思考はそこで中断された。


「加賀屋さんとか小太刀さんとか、いかつい大男がお子様ランチを頬張ってる姿を想像すると、何かチョー笑えてきません?」


「ちょっ…。そんな事言って、バレたらまた加賀屋さんに怒られるよ?」


「平気平気!オレ、他人からキレられるのは慣れてますから!」


満面の笑みでズレた回答をする相川さんに心底呆れ、思わずマジマジと見つめてしまう。


まぁ確かに、お子様ランチが似合うかどうかという観点で言えば、男性陣で相川さんに敵う人はいないだろう。
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