スイートホーム
つくづく、私は恐ろしい女性と出会ってしまったんだな、と思う。


あの時の優さんの言い分にまたもや同意せざるを得ない。


私がズルズルと付き合いを続けてしまったせいで、自分自身だけでなく、周りの人にまで影響が及んでしまった。


梨華に全幅の信頼を寄せ、そしておそらく恋愛感情も抱いていたのであろう志希を傷付けてしまったし、緊張を強いられるお仕事から帰って来て、束の間の休息を取ろうとしていた小太刀さんの邪魔もしてしまった。


「ここまでの細かいいきさつは私には分かりかねますが」


そんな風に私が深い後悔の念に苛まれている間に、無言で3人のやり取りを見守っていた小太刀さんが徐に口を開く。


「早乙女さんが今現在、とても不安な気持ちを抱えているというのは間違いないですね?」


「はい」


「そして、現段階で警察を介入させるのは大いに抵抗があり、たまたま知り合った、警備会社に勤務する私にご相談に来られたと」


「その通りです」


「承知いたしました」


小太刀さんは深く頷くと、力強く返答した。


「ぜひとも、早乙女さんのお力になりたいと思います」


小太刀さんの宣言を聞いた瞬間、私は目の前が真っ暗になった。


ああ、やっぱり彼も囚われてしまうのか、と絶望にうちひしがれる。


そのまま意識を失いそうになったけれど、梨華の前で醜態を晒すのだけは絶対に避けたかった。
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