スイートホーム
「……だって、色々と余計な詮索をされたり、絶対バカにされると思ったから…」


「はぁっ?何で勝手にそんな想像を膨らますんだよ!?」


ガバッと顔をあげ、私を真っ正面から睨み付けつつ、志希は力説した。


「どんなに美人で可愛くてビジュアルがドストライクでも、親友の婚約寸前の恋人を寝取るような性悪な女だぜ?そっちの肩を持って、地味で印象薄くて女としては完敗でも、人間としては上質な姉ちゃんの方をこきおろすワケがねーだろ?俺ってそんなサイテーな男だと思われてんの?」


……何だかドサクサに紛れてかなり失礼な事を言われているような気がするけれど、でも、とりあえず、今の証言を要約すると「俺は姉ちゃんの味方だ」ってことだよね?


「まったく。そういう風に、勝手に先回りしてネガティブな想像すんのはいい加減止めろよな。姉ちゃんの悪いクセだぜ」


「いや、だって、今まではたいていそのネガティブな予想通りになっていたし。…っていうか、ちょっと待った」


何だかんだ言ってやっぱり志希は血を分けた弟だったんだな…と一瞬しんみりしかけたけど、すぐにその事実に気が付いた。


「そもそもあんたが梨華の言う事を全面的に信用して、意気揚々とここに乗り込んで来たりするから、職場の人達にあんな恥ずかしい場面を見られちゃったんじゃない」


何をエラそうに説教してるんだか。
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