スイートホーム
明るく放たれた相川さんの宣言に、すかさず小太刀さんが反応した。


「お前はやはり浮かれすぎている。もう少し己を省みた方が良い」


「な、なんスか~。今日の小太刀さん、やけに俺に対して厳しくないっスか?」


そのやりとりを見ていて私も内心『ん?』と思った。


いつもの小太刀さんらしくないな、と…。


今までも3人で会話している場面に遭遇した事はあるけれど、相川さんをたしなめる役はあくまでも加賀屋さんで、小太刀さんは黙って見守っているか、要所要所でポツリと発言して相川さんをフォローしてあげたりしていた。


『破天荒だけれど憎めない可愛い後輩』を思っている事がヒシヒシと伝わって来るというか…。


でも、今日の小太刀さんはそんな相川さんに対して、ちょっと突き放すような、冷たい態度を取っている。


相手が相川さんだからというだけでなく、そもそも小太刀さんが他人にこういった振る舞いをするのはとても珍しい事だと思う。


重要な任務の前に、能天気に食べ物の話で盛り上がったりしていたから、不愉快な思いを抱いたのだろうか。


……だとしたらそれって、バリバリ私のせいじゃないの?


私が余計な提案をしたりしたから…。


というか、小太刀さん、相川さんに進言しているように見せながら、実は私に対して怒っていたりする?


そこまで考えが及んだ所で、一気に血の気が引いて行くのを感じた。
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