スイートホーム
そんで家に帰ってから空いてる時間に履歴書を書いて、職務経歴書をパソコンで仕上げて…。


ずっと仕舞いっぱなしの面接用の鞄や靴も、収納場所から出してお手入れしておかなくちゃ。


あ、現地までの詳細なルート確認と、その移動手段も調べておかないとね。


それら諸々を、今日から土曜日までの4日間で完了させなくちゃいけない。


なかなかのハードスケジュールだ。


でも、定められた日までにきちんと準備を整え、万全の態勢で試験や面接に挑めているかどうかも企業側はチェックしているだろうから。


土壇場でのキャンセルや遅刻なんていうのはもう問題外。


「今回はご縁がなかったという事で」とその時点でバッサリ切られてしまうだろう。


それが社会というものだ。


だから当日までの体調管理も徹底しておかないとね。


「あ、守家さん今から?」


室内に入り、自分のロッカーの前に立った所で、同じ時間に昼休憩に入ったパートさんに声をかけられた。


「私もう食べ終わっちゃった~」


「え?早いですね」


「ちょっと銀行に用があってさ。窓口じゃないとダメなのよ。面倒だけど、今から行ってくるわ」


「そうですか」


「外暑いだろうなー」


「ですよね。お気をつけて」


「うん。ありがと」


右手をヒラヒラと振りながら出口へと向かうおば様に笑顔で応えつつ、私はロッカーの鍵を解錠した。
< 55 / 290 >

この作品をシェア

pagetop