スイートホーム
私はテーブルの背後に位置するベッドに寄りかかりながら続けた。


「でもまぁ一番行動を共にするのは管理人夫妻だからね。ひとまずその人達とはうまくやって行けそう」


『そっか。良かったじゃん』


「うん」


『あんたの前任の人からの引き継ぎとかはないの?』


「あ、うん。あの寮の管理栄養士は私が初代だから」


『え?でも、寮ができてから何年か経ってるんでしょ?あんたが入るまで、誰がその仕事を担っていた訳?』


「んーとねぇ。今までは、本社ビル内の社員食堂の栄養士が、寮の食事の献立作りもしていたんだって」


今日のお茶会で仕入れたばかりの情報をさっそく披露した。


「その人の指示通りに、管理人の奥さんと、通いで来てるパートさんが食事を作っていたらしいよ。ほら、管理人さんにもちゃんと休日を割り振らないといけないから、そこを補填する為にパートさんがいるのよ」


『ん?それなのに、何で今年から管理栄養士を雇う事になったの?』


「う~んと…。ちょっとややこしいから、順を追って説明するね。まず、寮を管理して行く上では、事務作業も当然必須になって来るよね」


『うん』


「で、本社の経理課の人が定期的に帳簿整理に来てるんだけど、その補助を管理人の奥さんと、これまた通いのパートさんが担当していたのよ」


『ふむふむ』
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