スイートホーム
「だけど、そのパートさんが諸々の事情で、8月いっぱいで辞める事になっちゃったんだって」


週に2、3回の出勤らしいから、今日はその人とは顔を合わせなかったけど。


「それでなくても他にも色々仕事を抱えてるのに、奥さん一人じゃ大変だろうって事で、新しい事務補助のパートさんを雇う事になったんだけど、どうせだったら管理栄養士の資格を持ってる人が良いんじゃないか?って話になったらしいよ。そうすれば社食の栄養士が兼任する必要もなくなるし」


『ああ~、だから『管理栄養士』の求人が出されて、最終的に彩希が選ばれたって訳だ』


「そうそう。事務って言っても経理課の人の指示通りに進めるだけだから、そっちはそんなに高いスキルは必要ないらしいしね」


一応前職でもデスクワークはしていたし、基本的なパソコン操作はできるから何とかなるだろう。


『なるほどねー。やっぱ最終的には資格が物をいうんだよね』


麻美はしみじみとした口調でそう述べたあと、続けた。


『問題は、幅広い勤務時間に、体がちゃんと対応できるかどうかだよね』


「うん…。そうなんだよね」


そこが未だにちょっと引っ掛かるポイントではあるんだけど。


「でもまぁ、日付を跨いでの夜勤がある訳じゃないし、何とか頑張ってみるよ」


というか、ここまで来たら頑張るしかない。
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