スイートホーム
管理栄養士としてだけではなく、私は管理人に準ずる存在として、コスモ警備保障に雇われたようだ。


寮を管理する上で仕事は多岐に渡り、その流れを覚える為にも、とりあえず最初の2ヶ月間は奥さんと同じシフトで、ペアで行動する事となった。


また、その期間は従来通り、本社社食の栄養士の指示通りに食事を作り、私が献立を考えるのはそれ以降の月の分から、とも決まった。


「今日からこちらでお世話になります、守家彩希と申します。よろしくお願いいたします」


初出勤の日、朝食時に食堂に集まった入居者の皆さんに、緊張しながらご挨拶。


「ああ、はじめまして。よろしくお願いします」


「頑張って下さいね」


皆さん口々にそう言葉を返してくれて、ひとまず快く受け入れてもらえたと、内心胸を撫で下ろした。


そこには小太刀さんの姿もあったけど、皆の陰に隠れ、無言で小さく会釈を返すという相変わらずのリアクションだった。


といっても他の人も、朝の慌ただしい時間帯だったし、それ以上会話を発展させようとはしなかったけど。


でも、別にそれで良いんだよね。


私がここに来たのは仕事をする為であって、お友達作りが目的じゃないのだから。


もちろん、積極的に悪意を持って、イジメやパワハラやセクハラをされるなんてのは問題外だけど、業務に支障が出ないのならば、多少そっけない態度でもかまわない。
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