スイートホーム
「私ったら。ちょっと彩希に押されたくらいで転んじゃって」
「……守家さんが押したの?」
梨華が無事立ち上がったのを見届けてから加賀屋さんは振り向き、私に視線を合わせ、問い掛けて来た。
とても困惑したような表情だった。
辺りは薄暗いし、おそらく死角もあって、先ほどの加賀屋さんの位置からは私達の動きはきちんと把握できていなかったのだろう。
「い、いえ、あの…」
『そんな事していません』と、きっぱり言い切れる自信もなかった。
手を払ってしまったのは事実だし。
それに、もしかしたら梨華はここにたどり着くまでに散々迷って歩きっぱなしで、足の疲れがピークに達していたのかもしれない。
だからついついよろけてしまって…。
「んー。とりあえず、守家さんの部屋に上げてあげたら?」
微妙な空気が漂う中、何とかそれを払拭しようとしているのか、加賀屋さんが普段の彼らしい明るい声音で提案した。
「お友達なのは間違いないんだよね?せっかく来てくれたんだし。それに、どこか怪我してるかもしれないからさ。手当てしてあげないと」
「あ、そんな。大丈夫です。ただコロン、って転がっちゃっただけですから」
梨華のその『コロン』の言い方が妙に可愛らしくて、先ほどまで抱いていた罪悪感はキレイさっぱり吹き飛び、再び彼女に対しての嫌悪感が込み上げて来た。
今まで気付かなかった…。
「……守家さんが押したの?」
梨華が無事立ち上がったのを見届けてから加賀屋さんは振り向き、私に視線を合わせ、問い掛けて来た。
とても困惑したような表情だった。
辺りは薄暗いし、おそらく死角もあって、先ほどの加賀屋さんの位置からは私達の動きはきちんと把握できていなかったのだろう。
「い、いえ、あの…」
『そんな事していません』と、きっぱり言い切れる自信もなかった。
手を払ってしまったのは事実だし。
それに、もしかしたら梨華はここにたどり着くまでに散々迷って歩きっぱなしで、足の疲れがピークに達していたのかもしれない。
だからついついよろけてしまって…。
「んー。とりあえず、守家さんの部屋に上げてあげたら?」
微妙な空気が漂う中、何とかそれを払拭しようとしているのか、加賀屋さんが普段の彼らしい明るい声音で提案した。
「お友達なのは間違いないんだよね?せっかく来てくれたんだし。それに、どこか怪我してるかもしれないからさ。手当てしてあげないと」
「あ、そんな。大丈夫です。ただコロン、って転がっちゃっただけですから」
梨華のその『コロン』の言い方が妙に可愛らしくて、先ほどまで抱いていた罪悪感はキレイさっぱり吹き飛び、再び彼女に対しての嫌悪感が込み上げて来た。
今まで気付かなかった…。