スイートホーム
いや、気付いていたけどあえてスルーしていた、梨華の異性の前での計算され尽くした乙女チックな言動、あざとさを、今更ながらに認識してしまい、この上なく鼻につく。


と同時に、同性の嫌な部分を敏感に察知できるような性格になってしまったんだなと、とてもショックを受けた。


悲しくて切なくて、目頭がじんわりと熱くなる


「そうですね」


するとその時。


「見たところ、これといってダメージはなさそうだ」


それまでずっと無言だった小太刀さんが、突然口を開いた。


「手も足も擦りむいてないし。服にも破損はない」


小太刀さんは梨華の手のひらや膝丈のブルーのフレアスカートから覗く足はもちろん、全身をくまなくチェックしていたらしい。


意外な展開に、溢れそうだった涙も引っ込み、私は思わず彼の横顔を凝視してしまった。


「いや、でも、内部に異常があるかもしれないだろ?」


「捻挫や骨に異常があったりしたらすぐに分かりますよ」


「ま、まぁ、それはそうなんだけどさ…」


「だから、手当て目的で守家さんの部屋に上がる必要はないですよね?」


梨華にしっかりと視線を合わせ、小太刀さんは有無を言わさぬ感じで問い掛けた。


「あ、は、はい…」


「おいおい小太刀。守家さんの客なんだから、お前が勝手に門前払いすんなよ」


「守家さんはどうしたい?」
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