スイートホーム
そうこうするうちに旦那さんや入居者が続々と食堂に集まり出して、加賀屋さんも小太刀さんと共に姿を現した。


加賀屋さんは入口付近で私に気付くと『さっきはどうも』という感じで微笑みながら目で合図をし、私がそれに応えたのを確認してからカウンターへと向かう。


小太刀さんの方は……。


まぁ、言わずもがな。


定食を受け取り、二人は先に席に着いていた同僚の元へと歩を進めたので、私とはそれ以上のコミュニケーションは取らなかった。


ほどなくして、奥さんも自分の夕飯を手に厨房から出て来ると、旦那さんの隣に座って食し始めたので、本日夕飯を希望したメンバーは全員出揃ったようだ。


しかし、私の目の前の食器はすでに空になっていたので、奥さんとは入れ違いに立ち上がり、「ご馳走さま。お先に失礼します」と挨拶しつつカウンターまで移動した。


トレイと食器を決められた場所に置くと、談笑が響き渡る賑やかな食堂を後にし、再び自室に戻る。


しばらくぼんやりとテレビを眺め、お腹がだいぶ落ち着いてからお風呂の準備をし、湯船に浸かった。


濡れた髪を乾かし、スキンケアまで終えてから、「さ~てと」と独り言を言いつついそいそとキッチンに向かう。


待ちに待ったデザートタイムへと突入だ。


ウキウキ気分で冷蔵庫を開け、スーパーで仕入れたモンブランケーキを取り出す。
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