憎悪と、懺悔と、恋慕。
 

 「・・・そっか。 てか送るよ、早川さん。 早く家に帰らなきゃ。 ご家族が心配してるでしょ」

 『行こう』と早川さんの腕を引いた。

 背中を擦るのもセーフ。 この前、手を繋ぐのも拒否られなかった。

 どこまでなら大丈夫なの?? どこからがアウトなのだろう。

 早川さんがオレに好意を持つ事なんてないだろう。

 早川さんが嫌がる事はしたくない。

 でも少しでも、早川さんに触れたいと思うんだ。

 「1人で帰れます。 木崎センパイ、ホントに入試迫って来てるじゃないですか。 早く戻って勉強しなきゃ。 それに、風邪でも引いたら困るからもう戻って下さい」

 早川さんが、早川さんの腕を掴んでいたオレの手をそっと下ろした。

 腕を引くのは、アウトなの??
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