臆病者のシーソーゲーム(仮)
ケータイ会社なんて数社だけしかなくて、
同じケータイ会社の子なんてクラスにも沢山居るだろう。
だけど何故だろう…
悠と同じケータイ会社なんだって事が…
ただそれだけの事が嬉しかったんだ。
それは仲間意識なのか、
それとも………………。
「ごめん、気づかなかった」
ケータイを待ち受け画面に戻して私はケータイを閉じた。
私がケータイをポケットに仕舞って、
悠を見上げて顔を合わせれば、
「じゃあ行こっか」
と、公園から出る為に歩き始めた悠。
私に背中を向けた悠は、
私がこのまま公園に留まっても振り返らず、私が居ない事に気づかないかもしれない。
何だかそれが本当そうで嫌で…
私は駆け足で悠の隣に並ぶ。
私の足より長い足の悠は歩くのも速くて。
私は置いて行かれない様にいつもの二倍速いスピードで歩いた。
悠…私も一応女子なんだよ。
悠の歩くスピードだと、私は置いて行かれちゃうんだよ。
言いたかったけど、
『友人』を望む悠には言えなかったから悟られないようにした。