ツンデレくんを呼んでみた。
腹の痛みと涙を隠すために中出に背を向けて寝転がった。大きく息を吐き出す。


腕を顔に当てて涙を押し付けた。中出に涙は見られたくない。


中出の中じゃ、あたしは最初から汚い女だったのか。


そう思ったら涙が止まらなかった。


やりきれなさと悔しさと悲しさ。


あたし達は一緒にいても決して交わらない。


あたしは中出しか見ていないのに、どうしてこうなるの。

 
「……言い過ぎた」


不意に中出の手があたしの頭に置かれた。


「……中出が謝った」

「ん」

「明日日本列島に台風直撃するのかな」

「おい、人が謝ってんのに何その言い草」

「珍し過ぎてびっくりした」


あたしはこの間も腕に顔を押し付けたままだった。


中出は基本的に自分から謝らない。自分が正しいと思っているからだ。一見ナルシストのようにも思えるけど、中出の言葉はほぼ的を射てるから何も言えない。


あたしは中出の腰に勢いよく抱き着いた。


息を吸い込むと、あたしが貸したスウェットなのに中出の匂いがした。


「……おい」

「今だけ許して……」


涙のせいでいつもよりか細い声が出てしまった。最初身を固くして抵抗していた中出も抵抗しなくなった。


「……腹痛い」

「は?」

「生理痛ひどいの」

「…………え?」


中出の腰は細い。でもあたしが突撃したくらいではびくともしないくらいにはしっかりしている。


「……今、生理来てて」

「はあ?」


さすがの中出も呆気に取られたようだった。


女のことなんて何も知らなさそうだけど、やっぱりそれなりには知っているようだ。


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