ツンデレくんを呼んでみた。
「……別れないって言ったね?」

「言った」

「じゃあ、何言っても別れないよね?」

「何言う気だよ」

「あたしあの日、山崎にキスされて胸舐められたけど、これでも別れないよね?」


あたしが胸に手を当ててそう宣うと、中出が「は?」と眉をしかめた。


「……何それ」

「中出が別れないって言うから、暴露した」

「言ったけど」


中出がうなだれて大きなため息をついた。


「……普通言うか、そういうこと」

「だって、中出にはまだされてないから」

「意味わかんねーよ」

「中出にならそれ以上も受け入れられる自信があるのですが」

「そんな自信どこから来るんや。処女やろ」

「童貞に言われたくないね」

「奈子って何なん? ガード固いんだかオープンなのかさっぱりわかんねえ」

「中出にはオープンだよ」

「やめろ気色悪い」


不意に眉をしかめた中出の指が近づいてきた。


思わずぎゅっと目をつぶったけど、何も感じなかった。


「……叩くと思った?」


声がして目を開けると、くつくつと笑う中出がいた。


「……うん」

「女に手を上げるほど最低じゃねえよ、俺」

「……うん」


中出の指がさらりとあたしの頬を撫でる。


「はは、涙目」

「……うっさい」


睨みつけると、中出がふと真顔になって指を離した。


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